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『グローバリズム以降』(エマニュエル・トッド)は、もう、始まっている

『グローバリズム以降』(エマニュエル・トッド)は、もう、始まっている

 

オアゾの丸善で本の神様が降りてきた

本の神様が降りてきた。

東京駅・オアゾにある丸善で。

といっても書店員に「オラ、買え!」と言われた訳ではない。

店内をフラフラしていたら本の神様が僕の肩を叩いて「コレ、コレ」と教えてくれたのだ。

そんな経緯で手にした本が『グローバリズム以降』(朝日新聞出版)だ。

エマニュエル・トッドという人を朝日新聞の人がインタビューしてまとめた本だ。

トッドというと僕はラングレンの方しか知らない。

朝日新聞に対しても慰安婦問題の一件以来、ちょっと偏見を持っているので買うのをちょっと躊躇した。

それでも購入してしまったのはペラペラと3ページほどめくった時、次の一文を読んでしまったからだ。

英国のEU離脱(Brrexit)や米国大統領選挙の候補者としてバーニー・サンダース氏やドナルド・トランプ氏の登場、欧州での移民危機などの出来事は、西欧社会が深いところで後戻りすることのない進化をしていることの帰結なのです。一つの時代の終わりと、別の時代の始まりを示しています。(『グローバリズム以降』6ページより ※以下、タイトルなしでページ数のみの時は同書より抜粋)

この本を手にする数時間前に『世界は「情弱」になっていた!【トランプ大統領誕生で分かったこと】という記事を書いたばかりだったので、この一文はスコーンと僕の中に飛び込んできた。

ここで「買おうかなスイッチ」のボタンをグイッと押したいところだが、ぐっと我慢する。

今まで衝動的に「買おうかなスイッチ」のボタンを押して後悔した本が山ほどあるからだ。

慎重にページをめくる。

次に飛び込んできたのがこんな文章だった。

私としては、トランプ候補だけでなくサンダース候補も合わせた全体として見たい。米国の有権者層あるいは社会で、根本的な問題について、大きな変化が起きている。それが表れていると考えます。ある意味結果自体は二次的です。(18ページより)

この一文で「買おうかなスイッチ」を押してしまった。

読後の感想は「スイッチ押してよかった」である。

 

対立ではなく括ってみると別の時代の始まりが見えてくる

エマニュエル・トッドは、ドナルド・トランプvsヒラリー・クリントンという図式で見るのではなくトランプ&サンダースというくくりでみるべきだと言っているのだ。

バーニー・サンダースは民主党の人で大統領選でヒラリー・クリントンと代表の座を争った人だ。

簡単に言うとトランプもサンダースも自由貿易をもうやめようと主張している。

自由貿易を進めると

  1. 外国から安い賃金の労働者がアメリカに入ってくる
  2. するとアメリカの労働者階級の人たちの仕事が減る
  3. そのためエスタブリッシュメント(支配階級)と労働者階級の格差が拡大する

ということだ。

党はちがうがトランプもサンダースもこの状態をなんとかしなければ!と考える人たちだ。

というようなことが『グローバリズム以降』を読むと理解できるようになる。

ともかく、11月9日に一つの時代が終わり、別の時代が始まっちゃったんだ!

ということがこの本を読むとヒシヒシと伝わってくる。

この本が面白いのは識字率や家族制度、出生率といったデータに基づき時代を読んでいくところだ

インタビューを書き起こした話し言葉で綴られているので、かなり難しい話のはずだが、すらすらと読める。

この本には2016年から1998年の間に行われた複数のインタビューが掲載されている。

ページをめくると2016年から1998年に戻る形で章が構成されている。

インタビューではその時々の話題を取り上げているのだが、エマニュエル・トッドの未来予測は「あんた、預言者か?」と思うほど的を得ている。

上記で引用したアメリカ大統領選に関するコメントも大統領選の後に読むとナルホドと思うがトッドがインタビューに答えていたのは大統領選の三ヶ月前、8月なのだ。

ある意味、大統領選の結果を予言していたと言っても過言ではない。

フランスの人口学・歴史学・家族人類学者であるエマニュエル・トッドは識字率や家族制度、出生率といったデータを使ってアメリカ大統領選や世界の動きを読んでいく。

まるでシャーロック・ホームズが観察力で人物や事件を読み解くのを見ているようだ。

トッドの分析手法は斬新と評価されている。

簡単に真似できるものではないが「これまで見過ごされていたデータを用いることで時代の動きがより鮮明に把握できる」という可能性を見たような気がする。

僕は毎日のように企画書を書いているので、今後、データを読むときのヒントになりそうだ。

買う予定も、読むつもりもなかった本だけれど(あるいは、それ故か)『グローバリズム以降』は刺激的な本でした。

 

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