『世界観』(佐藤優)を読んでプーチン大統領来日に備える

『世界観』(佐藤優)を読んでプーチン大統領来日に備える

『世界観』(佐藤優)を読んで思い出したのは『魂を売らずに成功するんだ』という本に書かれていた次の一節だ。

大きな影響力を持つのは「コンテキスト(背景・文脈)」だと思ったのだ。(略)

情報は自由に発信されるべきものだが中立ではない。ジャーナリストが自分でルールを決めることもあるいくつかの情報源があれば事実とするか。どれを記事にして、どれをしないか。

(『『魂を売らずに成功する』』より)

これは『「コンテンツ」より「コンテキスト」』というタイトルの章に書かれた一節だ。

コンテキストの価値を見極めることができるのは

評価・解釈・分析・統合・展望・判断できる人材、言い換えれば「コンテキストを生み出せる人材」

(『魂を売らずに成功する』より)

ということになる。

前置きが長くなったが『世界観」における佐藤優は、この「コンテキストを生み出せる人材」だ。

このコンテキストという考えをこの本はタイトルの『世界観』という言葉に要約しているのだろう。

プーチン大統領の10日前に「北方領土返還がどういう事態を引き起こすか」について読む

この記事は2016年12月4日に書いている。

約10日後の15日と16日に日露首脳会談のためプーチン大統領が来日する予定になっている。

この来日を機会に日本側には北方領土の返還を目指すという大きな目標がある。

そういう状況の中、12月初旬に発売された(奥付では6日発売となっている)『世界観』を読むのは本当にタイムリーだ。

『世界観」にはプーチンの来日や北方領土の返還について書かれている。

この本は国際情報誌『SAPIO』に連載された2011年12月28日号〜2016年12月号に連載された「インテリジェンス・ベース」がもとになっている。

なかには古い記事もあるが必要なものには補足として[追記]があるので記事内容が色あせることはない。

日本と世界を取り巻く国際情勢について様々なテーマが書かれている。

その中でも最もタイムリーなのが北方領土返還だ。

『世界観』には、こんなことが書かれている。

  1. 12月15日にプーチン大統領が来日。
  2. (仮に)北方領土を返還(となったとする)。
  3. すると北方領土は日本の国土となる。
  4. ここで障害となるのが日米安保条約。同条約では米軍は日本の領土ならどこにでも基地を作れることになっている。
  5. それは困るのでプーチン大統領は返還した北方領土の土地に米軍基地を作れないように日米安保条約の適用除外地域にすることを条件にするだろう。
  6. この条件を飲んで北方領土を返還してもらうと日米安保に適用除外地域という新しい概念が誕生する。
  7. するとアメリカは「尖閣列島は日米安保条約の適用除外地域にする」という主張が可能になる。
  8. 特に「なぜ、米軍が日本を守らなければいけないのか?」と主張するトランプ次期大統領なら言いかねないことだ。
  9. すると、日本が自力でなんとかしなければいけなくなる。

 

こういった情報の読み方はコンテンツ(記事やニュース)だけを追っていたのでは見えてこない。

コンテキストを生み出せる佐藤優だからこそ提示できる「文脈」だ。

まとめ

戦後、日米同盟は生命線だったはずだ。それが今、北方領土交渉によって静かに崩れようとしている。このリスクを等身大で認識する必要がある。

(『世界観』より)

北方領土が返還されるなら、それは歴史の大きな節目になるのかもしれない。

『世界観』を読み、10日後迫ったプーチン大統領の来日を注視したい。

また、コンテンツを読み、作るだけでなく、自分でもコンテキストを生み出す能力を高める必要性を感じた。

その第一歩が優れたコンテキストとなる本を読むことだ。

 

 

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