-
1
-
2
-
3
-
4
-
5
パッと見、地味だが見はじめると止まらない『スニーキー・ピート』
amazonオリジナルドラマの新作『スニーキー・ピート』の原題は『Sneaky Pete』。
Sneakyとは「卑劣な」という意味。
Pete(ピート)は人名だが偽名だ。
つまり、『スニーキー・ピート』とは『卑劣なピート(偽名)』という意味のタイトルだ。
この映画はパッと見、とても地味である。
主人公ピート(偽名)を演じるのはジョヴァンニ・リビシ。
代表作は『テッド』など。
見た目オジサンで主役というより脇役タイプ。
しかし、『ブレイキング・バッド』のブライアン・クランストンがプロデューサーと出演を兼ねており、このパッと見の地味さはすぐに裏切られる。
ハリウッド映画の様々なジャンルをギュッと凝縮
『スニーキー・ピート』の第1話を見ればわかるが、この作品には
- なりすまし映画
- コンゲーム映画
- ファミリー映画
- バウンティハンター映画
としての要素が詰まっている。
ハリウッド映画の様々なジャンルをギュッと凝縮したドラマだ。
(映画という言葉を使っているけど、『スニーキー・ピート』は全10話のドラマです。あしからず)
では、それらの要素を1つずつ確認してみよう。
なりすまし映画
映画には「なりすまし」というジャンルがある。
古典的名作は『太陽がいっぱい』(リメイク版タイトルは『リプリー』)だ。
太陽がいっぱい 最新デジタル・リマスター版 (Blu-ray)
『スニーキー・ピート』の主人公ピート(偽名)の本名はマリウス。
彼は刑務所を出獄すると同時に訳あって別人になりすます必要があった。
彼は同房だったムショ仲間のピートになりすまして彼のおばあちゃんの家に転がり込むのだ。
コンゲーム映画
コンゲームとは詐欺をテーマした映画のこと。
有名なコンゲーム映画は『スティング』だ。
実際、『スニーキー・ピート』にも『スティング』の話が登場する。
主人公のマリウスは詐欺師。
だから、彼のおばあちゃんやおじいちゃん、その孫たちを騙して、
20年間音信不振だったピートになりすますことはお手のものだった!
このコンゲームが『スニーキー・ピート』のメインテーマだ。
ファミリー映画
ピートの家族たちは
体調を崩しているおじいちゃん、
そのおじいちゃんに代わって家業を切り盛りする強気のおばあちゃん、
バツイチの従姉妹、
その娘(万引き常習犯)、
警官になった従兄弟(ただし、行動パターンは16歳の少年)など、
問題を抱えた人たちばかり。
家業は傾きつつあり、ピート(偽名)が転がり込んだ先は訳ありの家族だった。
でも、薄幸なピートになりすましたマリウスはそんな彼らに家族の温もりを感じ始める。
バウンティハンター映画
このファミリーの家業は保釈保証業だ。
保釈保証業は犯罪者を保釈するために保釈金をローンで貸す仕事。
保釈人が逃亡した場合、本人または専門のバウンティハンター(賞金稼ぎ)を雇い、捕まえに行く。
この手の映画は「バウンティハンターもの」というジャンルに入る。
有名な作品はロバート・デ・ニーロ主演の『ミッドナイトラン』だ。
『スニーキー・ピート』ではピート(偽名)と従姉妹のジュリアとともに
拳銃と知恵を武器に逃走した保釈人を追いかけ回すことになる。
つまり、『スニーキー・ピート』はアクションコメディ・タッチの
バウンティハンター映画としても楽しめる作品だ。
まとめ
このように様々な要素が絡んだ『スニーキー・ピート』。
2つの街が舞台になり、過去と現代が交互に語られるなど、
一歩間違えると複雑になりがちなストーリーだが、それをスッキリ、テンポよく見せてくれる。
キャストの名演、センスのいい音楽など、目の離せないドラマだ。
詐欺師に騙されたような予想外の展開で楽しませてくれる。
コメント