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ナイト・シャラマン復活!と評判の最新作『スプリット』を観る前に知っておくべき成功と挫折

ナイト・シャラマン復活!と評判の最新作『スプリット』を観る前に知っておくべき成功と挫折

ナイト・シャラマンの最新作『スプリット』

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監督ナイト・シャラマンと主演のジェームズ・マカヴォイの来日もあり、彼らの最新作『スプリット』が話題になっています。公式サイト(http://split-movie.jp/)で予告編が公開されているのですでにチェックした人も多いのではないでしょうか。「誘拐されたのは3人の女子高生」「誘拐犯は多重人格者」「3人vs23人格」「誰が敵で?誰が味方か?」「恐怖は〈分裂〉する」といったコピーやナレーションが使われている予告編は、早く本編を見たーい!という気にさせてくれます。『スプリット』の日本劇場公開は2017年5月12日。この原稿を書いている時点(2017年4月)ではまだ日本では『スプリット』は未公開ですが、気の早いネットニュースやサイトでは“ナイト・シャラマン完全復活”と宣言しています。

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ところで、シャラマン完全復活ってどういう意味?

ところで、「“ナイト・シャラマン完全復活”ってどういう意味?」と首を傾げる映画ファンも多いのではないでしょうか?
その意味を理解するには『シックス・センス』(1999年劇場公開)の大ヒットと、その後のスランプを知る必要があります。

1999年に『シックス・センス』を公開したシャラマンはハリウッドではほとんど無名に近い監督でした。その若い監督が世界興行収入6700万ドルを達成するほどの大ヒットを放てたのは「ドンデン返し」にありました。

1999年の日本の興行収入ランキングを見ますと第1位『アルマゲドン』、第2位『スター・ウォーズ エピソードI ファントム・メナス』、第3位『マトリックス』、そして、第4位『シックス・センス』という順番でした。第1位から第3位まではSF超大作で、SFX(特殊視覚効果)が見所でした。それに対して『シックス・センス』はドンデン返しというストーリーの面白さで大ヒットを放った映画だったのです。しかも、ナイト・シャラマンほどドンデン返しにこだわった監督はいなかったので当時の観客は熱狂しました。

ドンデン返しのあるストーリーとは、それまで見てきた映画の設定がラスト近くでひっくり返る物語のことです。別の言い方をすると手品のような仕掛けを持った映画ということです。「えっ!今まで見てきたのはなんだったの?」「自分が想像していた物語ともラストとも違う!」というサプライズを映画の鑑賞者に与えてくれます。『シックス・センス』でドンデン返しといえばナイト・シャラマンというように世界中に映画ファンに認識されました。

シャラマンは『シックス・センス』に続き、『アンブレイカブル』(2000年)、『サイン』(2002年)、『ヴィレッジ』(2004年)と順調に新作を公開していきます。『シックス・センス』がゴーストストーリーの、『アンブレイカブル』はヒーローストーリーの、『サイン』は地球侵略ストーリーの、『ヴィレッジ』はスリラーの、ドンデン返し映画でした。1人の映画監督が5〜6年の短い間にどんでん返し映画をこれだけ量産したのは映画史上初めてのことだと思います。しかし、残念ながらどの作品も『シックス・センス』を超えるサプライズや大ヒットには及びませんでした。『ヴィレッジ』後、シャラマンは新しい方向性を模索しはじめます。

試行錯誤と迷走を始めるナイト・シャラマン

2006年の『レディ・イン・ザ・ウォーター』は御伽話をベースに、2008年の『ハプニング』ではディザスタームービー風のサスペンスをベースに従来のドンデン返しを排除した映画を製作します。確かにいずれも大酷評!『シックス・センス』を頂点に才能も興行収入も坂道を転げ落ちていくシャラマンというイメージが定着してしまいました。

次作『エアベンダー』(2010年)はシャラマンが製作・監督・脚本を担当していますが、ドンデン返しの呪縛から逃れるかのように初めて原作モノに挑戦しました。さらに『デビル』(2010年)は製作のみを担当し、ストーリー作りから距離を取るようになります。製作・監督・脚本として関わりストーリー作りを復活するのは『アフター・アース』(2013年)からです。ですが、映画配給会社は劇場公開時に広告や予告編、ポスターなどからナイト・シャラマンの名前は伏せるという戦略をとります。つまり、シャラマンの名前を出さない方がヒットするという判断を下したということです。この辺りがナイト・シャラマン絶不調スランプ期の頂点と言えるでしょう。

ついにやって来た完全復活の時!

そして、2015年、風向きが変わります。『ヴィジット』はシャラマンの作品の中でも超低予算で作られました。どうしてかというと映画の全てを自分でコントロールできるように自分で出資できる予算で『ヴィジット』を作り上げたのです。これまでの作品は大規模な予算で作られていたため様々な出資者が作品に口を挟み、シャラマンが望む最終的なカットなどを変更させられていたのです。

シャラマンは『ヴィジット』で本当に語りたいストーリーを語るため低予算で製作するという作戦で臨み、久々に謎に満ちたてサスペンスフルな展開とドンデン返しを復活させました。

そして、2017年5月公開が予定されている最新作『スプリット』は『ヴィジット』よりも少し製作予算が高くなっていますが、それでもシャラマン映画2番目の低予算映画です。つまり、大口に出資者に口を挟まれ最終カットを変更させられるなどの心配もなく、シャラマンがストーリーを全面的にコントロールしている作品だと言えます。復活したシャラマンのサプライズな映画が楽しめることでしょう。

 まとめ

このようにナイト・シャラマンの大成功とスランプ、そして、復活の奇跡を知った上で最新作『スプリット』を鑑賞するとより一層作品が楽しめると思いますよ。

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